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昔の作品が結んでくれたご縁

約20年前、カナダ人の量子物理学者の方が、展覧会で私の作品を気に入り、手紙をくださいました。
そして関東から高松まで足を運び、その作品を迎え入れてくださいました。
その作品は今、カナダのご自宅のリビングに飾られています。
彼との交流は今も続いており、2年前、彼に誘われてアートフェア東京を訪れました。
その際、香川県漆芸研究所のブースに立ち寄り、関係者の方とお話しする機会に恵まれ、県が公募でアートフェアでの『二人展』を主催していることを知りました。その出会いがきっかけとなり、今回の出展へと繋がったのです。
彫漆箱「藤波」菅野かおり作 2003年 個人蔵(カナダ)

彫漆箱「藤波 」2003年 個人蔵(カナダ)作品詳細


私は2011年から13年間、育児のために制作の現場から離れていました。 末っ子が小学校に上がる2024年4月を、再び漆と向き合うタイミングと決め、少しずつ準備を進めていました。
しかし、いざ戻ってみると、13年というブランクは想像以上に大きなものでした。 2024年はひたすら試行錯誤の連続。思うように制作が進まず、公募展でも結果を残せないなど、もどかしさを感じることもありました。
ですが、今回のアートフェアに向けた制作は、不思議なほど自由な気持ちで、楽しく真っ直ぐに向き合えた気がしています。制作に没頭する中で、迷いが消え、今後の制作の方向性も定まってきました。このようなチャンスを与えてくださった関係者の皆さまには、深く感謝しております。

今回の展示では、新たな一歩として「蝶型の箱」「小型オブジェ」「パネル」「装身具」の4つのシリーズを始動します。
蝶型の箱は8点分の乾漆素地を進めていましたが、今回は2点仕上がる予定です。
また新作に加えて、 これまでの公募展出品作や、香合、椀などの器類もあわせて展示予定です。
装身具木地(螺鈿ブローチ、帯留めの木地 )

装身具の欅木地(2025年10月撮影)

彫漆用の蝶型の箱とパネル

乾漆蝶型の箱と木製パネル(2025年11月撮影)

彫漆用の小型オブジェ

彫漆の小型オブジェ塗り重ねの途中(2026年2月撮影)

アートフェア東京で、完成した姿をご覧いただけたら嬉しく思います。

2026.02.03