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乾漆 (5) - 布貼り

乾漆(麻布を漆で貼り合わせたもの)で素地を作っています。
乾漆の図解
乾漆の切断図の部分拡大(イラスト)。石膏の原型、下地、麻布、下地、塗りの順番で進めます。
これまでの工程(ブログ)

布張り
乾漆の芯の部分になる麻布を貼ります。
上部の図解にあるように、数枚の目が粗い麻布の外側に、目が細かい麻布を各1枚貼ります。
乾漆の麻布貼り―芯になる麻布を糊漆で貼ります。

目が粗い麻布を貼っている所。

白玉粉の水煮に生漆(きうるし)を加えて、糊漆を作ります。
乾漆の麻布貼り―白玉粉の水煮に生漆を加えて、糊漆を作ります。

乾漆の麻布貼り―乾漆の芯になる麻布を糊漆で貼ります。糊漆が乾く前に手早く作業します。

糊漆が乾く前に手早く作業します。


乾固後
乾漆の麻布貼り―糊漆が乾固した後、サンドペーパーで全体を軽く研ぎます。

乾固後サンドペーパーで全体を軽く研ぎます。

乾漆の麻布貼り―重ねて貼った部分を彫刻刀で削り、平らにます。

重ねて貼った部分を彫刻刀で削り、平らにします。


目摺り
布目の凹部を埋める為、糊漆に輪島地の粉を混ぜたペーストを塗り、ヘラで凸部のペーストをこそぎ取ります。この作業を目摺りと言います。輪島地の粉は軽くて、強度があるので、乾漆に適しています。
乾漆の目摺り―布目の凹みを埋める為、糊漆に輪島地の粉を混ぜた物を塗ります。

輪島地の粉+白玉粉の水煮+生漆

乾漆の目摺り―布目の凹部を埋める為、糊漆に輪島地の粉を混ぜた物を塗り、ヘラで凸部のペーストをこそぎ取ります。


布貼り、目摺りをそれぞれ1日1回繰り返して、合計6枚の麻布を貼りました。底や蓋の上面など、部分的に厚みが欲しい所は、1枚余分に目が粗い麻布を貼りました。

2025.05.21