15年前に買った漆はまだ使えるのか、乾き具合をチェックしていたら、漆が手に付いて、かぶれました。まさか、またかぶれるとは思っていなかったので、手袋もしていませんでした。かぶれの面積は小さいですが、初めて漆を触った時を思い出す位、ひどいです。どんどん悪化しているので、結構、ショックです。13年間のブランクは免疫力を失わせるのに十分な長さだったようです。
かぶれ始め。この後、かぶれの範囲が広がりました。
漆(赤呂色、色漆など)は常温で保管していましたが、問題なく乾きました。黒呂色漆は未開封の桶だったので未確認です。
生漆だけは冷蔵庫に入れていましたが、かなり乾きにくくなっているので、他の漆と混ぜて使おうと思います。
15年前と比べて漆の値段が2倍以上になっています。金粉は20年前と比べて、3~4倍の値段だと思います。今の所、何も買い足す事なく作業を再開できました。
久しぶりにヘラを使うので、塗師屋小刀(ぬしやこがたな)/塗師屋刀(ぬしとう)という刃物でヘラの先を整えました。香川県漆芸研究所では箆だちと呼んでいました。太刀と呼ぶには小さいので、断ちと書くのか、よく分かりません。讃岐漆芸、口伝多めです。この刃物は刷毛を切り出す時にも使います。
ヘラは桐の柾目のへぎ板をヘラの形に切って、鉋で薄くして作りました。
プラスチックのヘラは刷毛を洗う時に使いますが、それ以外は桐のヘラを使います。ヘラは使う前にサンドペーパーで先を整えますが、プラスチックのヘラだと溶けて綺麗に整える事ができません。
箆だちは香川県漆芸研究所に入所した時に買いました。一番最初の実習が、この箆だちを研ぎ、へぎ板から自分のヘラを数本作る事でした。刃物の研ぎも、鉋を使うのも初めてだったので、すごく疲れました。漆かぶれもひどかったし、上手く出来ない事だらけ、よく心が折れなかったなと思います。
地の粉(目が粗い下地)。地の粉に水と漆を加えてペースト状にします。
とりあえず、小さな物から始めようと思い、アクセサリーを作っています。 木を削って、漆を摺り込んだ後、地の粉(粗い下地)をつけました。砥の粉錆(細かい下地)の工程に進んでいるものもあります。
大きく欠けたぐい吞みがあったので、木の破片を削って、欠けた部分に漆で接着しました。これは金で継がず、全体を塗り直すつもりです。
2024.06.23