
1点目は、「堆朱(ついしゅ)」を意識した彫漆作品です。堆朱は10世紀頃から中国で始まり、鎌倉時代に日本に渡来しました。顔料が発達する近代以前の漆器は主に黒と赤のみでした。この古い技法は重厚なイメージが強いですが、今作ではあえて「浮遊感」や「軽やかな空気感」をモチーフに据えています。
彫漆額「うたかたのうた」制作途中
それぞれ黒と金、赤と金の蒟醬で、 テーマは「古代への追憶」。
「黒」は、静寂に包まれた夜の風景。
「赤」は、山々が紅葉に彩られる秋の風景。
漆の黒と赤は、何万年も前から変わらず存在する色です。私たちが今見ているこの景色は、遠い昔の人々も同じように眺めていたのではないか。そんな思いを馳せながら制作しました。
蒟醤漆額「とばり」制作途中
蒟醤漆額「錦の峰」制作途中
白から深い紺色へと移ろう、海の水面。 蒟醬の「彫り、埋め、研ぎ出す」という工程は、繊細なグラデーションを表現するのに適しています。研ぎ出しの瞬間に現れる予期せぬ表情が、刻一刻と変化する水の表情と重なります。
蒟醤漆額「凪」制作途中
昨年の5月から続けている朝の3kmランニングが、今では私の大切な習慣になっています。野趣あふれるコースでは、日々さまざまな野鳥との出会いがあります。
今朝は鮮やかなグリーンのセキセイインコが20羽以上の群れで木々に止まっていました。その瞬間をうまく写真に収めることはできませんでしたが、先週出会った美しい光景を。
水辺にて「梅と鴨」
2026.02.10
