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乾漆 (かんしつ)
籃胎 (らんたい)
竹を編んだり、巻上げたものを素地とする技法。 成形の為の木型が必要です。 予め竹ひごを塗って編む →網目を活かす 下地を施すなど完全に漆で塗りつぶしたもの →数ヶ月経つと下地がやせ、網目が浮き出る
縄胎 (じょうたい)
乾漆の一種で、麻布の代りに麻縄や綿縄を使う。 乾漆より工程数は少ないが、下地の粉がほとんど使われず、ほぼ漆と縄で成形される為、多くの漆が必要とされる。
彫漆 (ちょうしつ)
漆を何層にも塗り重ねた後、彫刻して、文様を表す技法。 その起源は、唐代の中国といわれており、日本には鎌倉時代に伝わった。
昭和期、顔料の発達に伴い、現在のような鮮やかな色合いの彫漆が作られるようになった。
黒だけを塗り重ねたもの→堆黒(ついこく) 朱だけを塗り重ねたもの→堆朱(ついしゅ) 黄色だけを塗り重ねたもの→堆黄(ついおう) 朱漆と緑漆を塗り重ね、朱漆の層に花、緑漆の層に葉を彫り出したもの→紅花緑葉(こうかりょくよう)
蒟醤 (きんま)
漆の塗面に文様を彫り、さまざまな色漆を埋めて研ぎ出す技法。 填漆(てんしつ)ともいう。
特殊な彫刻刀で文様を彫り,その凹みに色漆を埋めて研ぎ出し、磨き仕上げるもので、線刻の美しさが発揮される。 中国の古代漆器の線刻技法が東南アジアに伝播し定着したものとみられ、日本では江戸末期に活躍した玉楮象谷以来、高松で盛んになった。近現代には点彫などの手法が生まれ、立体的な表現や複雑な表現が行われるようになっている。
存清/存星(ぞんせい)
塗面に色漆で文様を描き、文様の輪郭や葉脈などに彫りを施す技法。 彫った部分に沈金を施す場合が多い。
犀皮(さいひ)
彫漆の一種。黄色と朱の漆層を交互に5層、表面は黒漆の層を塗り重ね、幾何学風の文様を彫るのが一般的。 中国の宋時代にのみ集中してつくられたと見られている。 犀皮にはおよそ3種類ある。 一つめは、前述の黄色と朱の層が4〜6層で表面が黒か透漆のもの。 二つめは、黒と朱の層のもの。 三つめは、朱・黒・黄色の他に緑の漆を加えたもの。文様はハート型や唐草風のものを組み合わせた抽象的なものが一般的だが、稀に花鳥の文様が表現されているものもある。
左から 犀皮香合、犀皮盆、部分拡大 「中国宋時代の彫漆」より
螺鈿(らでん)
夜光貝、鮑、蝶貝等の貝片を文様に切り、器物に張り付けたり、埋め込んだり、彫り込んだりして装飾する技法。 貝の裏に金箔を貼ったり、顔料を蒔きつけるなどして、貝に彩色する場合もある。 局面に貝を貼る場合は割った貝を貼る。
*貝を貼る漆は上塗りが黒の場合は呂瀬(黒呂色+生正味)。 *上塗り前に貝の周りだけ、上塗りと同じ漆で固めをしておくと貝の周りが縮みにくい。
彩色と割り貝↓ 全て夜光貝で白っぽい貝は裏に金箔が貼ってある。
沈金(ちんきん)
漆の塗面に文様を彫り、 漆を擦り込み、金粉または金箔を埋める技法。
平蒔絵(ひらまきえ)
漆で文様を描いた部分に、金、銀等の細かい粉(丸粉)を蒔き、磨き上げる技法。
研出蒔絵(とぎだしまきえ)
漆で文様を描いた部分に、金、銀等の粉(丸粉、梨地粉など)を蒔き、 上塗りをし、研ぎ、磨き上げる技法。
溜塗り(ためぬり)
朱漆の上に透き漆を塗る技法。 漆の中で最も透明感のある透き漆は茶色がかっているので、朱漆の上に塗ると赤茶色のような味わいのある風合いになる。 透き漆が薄く塗られた角は朱色が強く、厚く塗られた部分は茶色に近い色になる。 透き漆は最初は茶色く乾くが、日が経つにつれて透明感のある飴色に変わっていく。
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