彫り工程が済むと、一番大変な研ぎ工程です。
3種類の砥石で、順に研ぎつけます。
#800・・・三和(写真2番目)
#1200位・・・炭
#2000・・・クリスタル
砥石は写真のように色んな形のものを作って、どんな小さい所でも研ぎつけます。
小さく細いものは、すぐに減ったり折れたりして、砥石を整えるのにも手間がかかります。
研ぎが甘いと、仕上げて艶をつけた時に小さな傷が目立ちます。
研ぎ工程が済むと、研磨剤などで磨いて終了です。
彫漆は、塗り重ね、彫り、研ぎ、仕上げと、とにかく手間がかかりますが、他の技法にはない「立体表現」の魅力があります。
もともとは中国が発祥の地で、宋時代から宮廷で特に尊重愛好されていたようです。
今、私達が作っているような彫漆は、戦後、顔料が発達してから、日本独自に発展したもので、歴史は浅く、まだ様々な可能性が秘められているように感じます。
(2006.8.19)
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