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彫漆蒟醤 (ちょうしつきんま)朝顔の箱

夏の朝、朝顔が勢い良く花を咲かせている様子を表現しました。

作品の詳細

タイトル 彫漆蒟醤 (ちょうしつきんま)朝顔の箱
制作年 2005年
サイズ D15.5 x W25.5 x H9.5 cm
素地 乾漆
技法 蒟醤彫漆、蒔絵(おしべの部分)
備考 第23回日本伝統漆芸展 入選作
夏の朝、朝顔が勢い良く花を咲かせている様子を表現しました。
始めに、表面に白漆を塗り、溝を彫って色漆を埋める蒟醤技法で朝顔の葉の文様を全体にほどこしました。
その上に漆を数10回塗り重ねて約2mmの漆の層を作り、朝顔の花や葉を彫刻しました(彫漆技法)。
白色の背景の層を傷つけず、朝顔の輪郭を彫り下げる事が難しい為、この技法を組み合わせた作品は今まで見た事がありませんでした。技術的に可能なのか試したいと思い、挑戦的な気持ちで取り組みました。難しかったですが、技法的には成功しました。
蓋を受ける部分と畳付は木製です。
工程
  1. 背景の白漆を10回塗る
  2. 全体に朝顔の葉の文様を細い線で彫る
  3. 彫った溝に水色漆を数回に分けて埋める
  4. 砥石や炭で平らに研ぎつける(蒟醤技法終わり)
  5. その上に次の順で漆を塗り重ねる:
    白漆 10回
    黄緑色漆 1回
    白漆 5回
    水色漆 5回
    白漆 1回
    水色漆 5回
    白漆 5回
    黒呂色漆 5回
  6. 朝顔の輪郭を残し、それ以外は背景の白漆の層まで彫って削る。
  7. 花の部分を立体的に削り、水色や白の層を表出させる。
  8. 彫刻した部分を砥石や炭で研ぐ(彫漆技法終わり)
  9. 全体を磨く

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