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乾漆 (3) - 砥の粉錆

乾漆(麻布を漆で貼り合わせたもの)で素地を作っています。
乾漆の図解
乾漆の切断図の部分拡大(イラスト)。石膏の原型、下地、麻布、下地、塗りの順番で進めます。
これまでの工程

離型剤(白玉粉糊)が乾いた後、目が細かい下地ペースト「砥の粉錆(とのこさび)」を塗りました。
乾漆の石膏型に塗った離型剤(白玉粉糊)が乾いた後、砥の粉錆を塗りました。

白玉粉糊を長時間乾かすと、ひび割れて剥がれてくるので、表面が乾いているように見えたらすぐに塗ります。
曲面がある器物などは乾漆刷毛で塗りますが、今回の器物はヘラで付ける事が出来ました。刷毛は使用前後の手入れが必要なので、ヘラで作業できると楽です。
砥の粉を水で練って、生漆を混ぜます。

砥の粉錆は、砥の粉(石の粉末)を水で練って、生漆(きうるし)※未精製の漆 を混ぜて作ります。砥の粉錆は「錆」や「化粧錆」とも呼ばれます。
翌日、耐水ペーパー#80~#150で簡単に凸部を研いで、2回目の砥の粉錆を塗ります。その後、次の工程に進めますが、研ぎしろに余裕を持たせたかったので、今回は3回、砥の粉錆を塗りました。
塗った後は、漆風呂に入れず、そのまま乾固させます。
乾漆の石膏型に砥の粉錆を3回塗りました。


2025.04.21